2013年6月28日金曜日

76. そば処 土師野尾 はじのお

杵の川の酒蔵がある土師野尾町は諫早市の南部にあり飯盛町と隣接しています
この地は古くは日用雑器を焼く窯がありましたが途絶えてしまい現在町名に名残を留めるのみとなりました、南北に延びる浅い谷が平山、土師野尾、飯盛と続いており、真冬は市街地と比べると気温も2℃ほど低く酒造りには絶好の地形です 
本年4月この地に本格手打ちの蕎麦屋さんが開店いたしました
「そば処 土師野尾」 店主の石丸さんは会社勤務の中であるきっかけで長年の夢であったそば職人をめざし修業に励み開業に踏み切られました、材料のそばは最近幻のそばで話題の諫早市高来町の金崎そばです
県道飯盛線の黒木工業さん本社前から山側(東向き)に400m登ったところにあります
当分の間定休日はもうけずに営業しています、日曜日のお昼は混み合ってしばらく待たなければならないように盛況です
江戸っ子は盛りそばと日本酒の取り合わせが粋な呑み方と言われていました、お酒はもちろん杵の川です

店舗の全景
 
県道飯盛線黒木工業様向側登り口
途中の標識見逃してはダメ
絶品ごぼう天そば
定番のざるそばとおかかおにぎり
 


2013年6月13日木曜日

75. 公開呑み切り '13

日本酒は蔵出し出荷されるまでには、酒蔵のタンクで大事に貯蔵管理されています。
日本酒は通常冬場に仕込み春先に火入れと呼ばれる加熱殺菌(65°C)後おおよそ6か月熟成貯蔵をいたします。ほとんどの酒類は貯蔵することで味の風味やバランスが整ってきます。日本酒の品質管理で欠かせない重要な過程に「呑み切」と言う酒蔵行事があります。呑み切は夏場にタンクの封を切り熟成がどの程度進んでいるかをきき酒をして判定する門外不出の重要な作業です。
昨年からこの呑み切を公開し消費者の皆様方にきき酒を行っていただきこの冬できた日本酒の出来栄えを味わっていただきます。このイベントは県内6社の酒蔵の若手経営者の会「純醸会」のメンバーが実施いたします。6社のお酒の出来栄えをお試しください。

日時 平成25年7月5日金曜日 14:00~19:00
場所 長崎市出島町 出島内外倶楽部レストラン2F
会費 500円 入場料 500円

参加銘柄
あい娘、六十余州、杵の川、潜龍、福鶴、萬勝

2013年6月4日火曜日

74. 愛の架け橋諫早の眼鏡橋 3


前置きが長くなりましたが この眼鏡橋には大事なものを硬く結び付けたり、壊さないようにする
強力な秘めたパワーがあります
世界にはイギリスのストーンヘンジ、イースター島のモアイ像を初め石造りの有名な構築物があります、中国の万里の長城、ピラミッドなどはそのスケールの大きさと歴史には目を見張るものがあり大きな観光資源になっています

諫早の眼鏡橋はそれほどには有名ではありません、しかし この橋の持つ神秘的でたくましい生命の根源を表す石造りの構築物はあまりありません
これまで私たちは何気なくきれいな姿の眼鏡橋に見惚れていました

実はこの橋は、暴れ川と呼ばれた本明川で木製の橋はいつも流されて、近隣から橋もない町と揶揄されていた当時の領主と領民の厚い思いが込められた石橋でした

この橋をカップルで渡るとその二人はこれまで以上に固く、深く結ばれます
日本中いや世界のカップルに紹介し、二人で手を取り渡ってもらえば
ロマンス誕生、恋愛成就、子孫繁栄、永久不壊、丁々発止、チキチキバンバン !!!

 
眼鏡橋正面 まじないは中央部にあり外からは見えない
 

2013年6月3日月曜日

73. 愛の架け橋諫早の眼鏡橋 2

昭和32年の大水害後、再発を防ぐため本明川の拡幅とかさ上げ工事のため眼鏡橋は
翌34年に解体工事が始まり、昭和35年7月に組み立て工事が着工され36年9月に
現在の諫早公園に移設されました
移設作業は橋の石材1個1個を分解して記号を付け保存し新しい場所に移し組直すという
手間暇のかかる作業だったと言われています

橋の中央部の分解作業中に謎めいた線画が彫りこまれている1個の石が見つかりました
移設作業には工事関係者のみならず、橋の文化的な価値、歴史的な構造物であったので
諫早市はもとより文部省の技官などが工事に立ち会っておられこの謎の文様の石の意味が
解読されました
それは当時としては高度な建築技術のアーチ橋が決して壊れることがないように
永遠の不壊(ふえ)の橋をとの願いを込めた男女の秘め事を呪いとして彫りこんだものと言われています


石に彫りこまれた文様 
現代では公共の施設に不謹慎と言われそうですが何事にもおおらかであった時代の
切実で必死な思い入れの中に可愛くも微笑ましい往時の人々の思いが伝わってきます
     

2013年6月1日土曜日

72. 愛の架け橋諫早の眼鏡橋 1

諫早の眼鏡橋
          行き戻りすれば 
                     おもしろかなり

本稿50号に眼鏡橋異聞と題して、あまり一般には知られていない眼鏡橋の秘密をご紹介しています
昭和32年7月25日は朝から断続的に猛烈な雨が降り続いていました
酒呑老子は当時中学校1年生で中体連の開催中で、北諫早中学校で行われる陸上競技が中止されたと記憶しています
豪雨で本明川は警戒水位を突破し、夕刻4時頃支流の大上戸川もあふれ八坂町にあった私の生家黎明酒造も浸水がはじまりました、そして一夜にして600名の尊い命を奪い去ってしまいました

この原因の一つが本明川に架かった唯一の石橋 眼鏡橋でした
天保10年 時の諫早領主諫早茂洪(しげひろ)の命によって洪水に耐えられる堅牢な石橋が完成し領民は以後この橋によって生活を支えられてきました




昭和初期の写真左が水月楼側

昭和32年の水害では皮肉にも堅牢が故に流木が本明川の流れをせき止め被害を拡大させました

諫早水害以降この橋は、本明川の拡幅、かさ上げ工事のため現在の諫早公園に移設されることとなりました水害により橋の欄干など一部は流失していましたが、工事に携わる人たちの丁寧な作業でそのほとんどは拾い上げられました  
  73号に続く

2013年5月23日木曜日

71. 杵の川の商品紹介 3 本醸造

杵の川の売上数量、売上高で最も多いのが本醸造 杵の川です
本稿62号の日本酒の分類の中で 醸造用の糖類を使用せずかつ醸造用アルコールも
使用制限(白米1000㎏当たりアルコール120ℓ)の範囲内で使用したものを定義しています

弊社は30数年前(昭和55年)に 東彼杵町の丁子屋醸造㈱と諫早市の黎明酒造㈱が合併した会社で主要な銘柄も恵美福、黎明、雲仙など多く、また当時は消費数量の減退もありブランド戦略の見直しを迫られました

そこで杵の川を弊社の中心的銘柄に集約する戦略に着手しました
その時に杵の川の酒質の設計を当時日本酒の主流であった醸造用糖類を添加した普通酒から
脱却し糖類不使用でなおかつ醸造用アルコールも減らし すっきりとのど越しが良く味わい深い
日本酒をめざし現在の商品が出来上がりました

発売以来おおよそ20年で当社の売上高の70%を占めるまでになり合併当時の太陽酒造から
現在の社名に変更し地域の皆様にご愛顧いただいております
本醸造の最高位商品 超杵の川 酒呑老子一押し
 
辛口杵の川は飲食店様に高い評価を受けています



定番商品 本醸造杵の川 軽快で味のある長崎の酒と好評


非加熱の生酒 県内で最も売れている 冷で飲む酒

2013年5月20日月曜日

70. 杵の川の商品紹介 2 純米酒

杵の川の純米酒は文字通りお米のみを原料とした日本酒です、日本酒の原料には本稿62号の日本酒の分類で記載のように、原料アルコールや醸造用糖類が使用できます、使用原料と  使用量によって名称が異なります (本稿 62号日本酒の分類を参照)

純米酒は深くて濃い味が特徴です、日本酒の消費量が伸び悩む中で純米酒は着実に伸びており、日本酒愛好家の本物志向が顕著に表れているようです

弊社の純米酒のラインアップは以下の通りです

創立100周年を記念して一般公募で名前を募集した商品
ききょうのくらと読みます 

純米酒は杵の川と評判高い定番 杵の川純米酒

長崎県を代表する純米酒にとの願いを込めた 出島の夢

竜馬が飲んでいた江戸時代の日本酒造りを再現した諸白純米 丁子屋
ボトルはコンプラ瓶と呼ばれた当時の輸出用ボトルに詰めている
 

酒造専用の山田錦など高価な原料米で仕込んだ高級純米酒
上品で深みのある味わいが特徴 杵の川 特別純米酒

2013年5月10日金曜日

69. 長崎夏純吟

このところ5月にしては気温の高い日が続いています、暦の上では立夏を迎え25℃を超す夏日もあります 温度差が激しい時には風邪ひきなどに注意が必要です

ところで日本酒の海外での評価がずいぶん高まっています 特にヨーロッパでの日本酒は
これまでになく関心が高まっており 各種の見本市やレストランで独自の試飲会の開催など
でグレードの高い商品が紹介され消費も好調に推移しています
その要因の一つには日本食の進出が大きく貢献しています 食と酒が一体となってヨーロッパで
評価されています

杵の川では5月より夏向きのお酒 純米酒 「長崎 夏 純吟」を発売いたしました
この商品は日本酒造り専用の原料米で「雄町 おまち」を使用した純米吟醸で
非加熱で加水していない原酒です
加熱殺菌をしていないため香が高く冷やしてワイングラスでその香りをお楽しみください

純米吟醸の定義やお酒の分類は このブログの62号に掲載しています
夏向きの涼しい淡いブルーの瓶と 日本酒感覚を脱ぎ去ったラベルにはオランダ風車と向日葵を配した斬新なデザインです

  これ日本酒かい???  酒呑老子のつぶやき
品名 長崎夏純吟 価格1.8ℓ 3000円  720ml 1800円



2013年5月8日水曜日

68. 元気になる街諫早

酒呑老子的考察 元気になる街諫早論

昨年ロンドンオリンピック・パラリンピックで諫早出身の4人の選手の活躍は皆様の記憶に
まだ焼き付いていると思います
体操の金メダリスト内村航平君、マラソンの藤原新君、競歩の森岡紘一朗君とパラリンピック
車椅子マラソン副島正純君の4人の選手です

かつて諫早のような地方都市で一つの大会で4名もの選手を出した都市があるでしょうか?
寡聞にして酒呑老子はそのような都市があるとは聞いていません
これは決して偶然ではありません 諫早にはこのような逸材を生む力が潜んでいるからです

その力とは清冽な水で産湯をつかい、神秘の力を秘めた霊山や霊場の霊験あらたかな土地に遊び 豊富な諫早特産の農産物や鰻、すっぽんなど活力みなぎる食材を食し育てられ
そしてたゆまぬ自身の努力と精進の結果です

そもそもスポーツと信仰の関係は太古の昔より深く オリンピックはギリシャのオリンピアの神々に人々が様々な競技を奉納したことに始まりました
日本でも相撲の発祥は野見宿祢という力持ちが神社に奉納したのが始まりと言われています

このことは一つの象徴的な事例です
諫早人はこのような土地に育まれ老いも若きも元気です
諫早以外の皆さんも諫早に来ていただければ元気のおすそ分けに与かることができます

       元気をもらいに諫早へ行こう !!!!


浄財7,000万円をかけて復興した金泉寺をはじめトレッキング名所が多い


諫早の眼鏡橋、千年の歴史の諫早神社など歴史の古い寺社

諫早の食と食材は元気の源ばかり



  






2013年5月6日月曜日

67. 轟峡山開き

例年5月1日は多良岳の麓 轟渓谷の山開きです、近年多良山系へのハイキング、トレッキングが大変増加しており期間中の無事故安全を祈願する祈願祭が、宮本諫早市長をはじめ多数のご来賓のご臨席のもと 諫早観光物産コンベンション協会の主催で開催されました

不肖私が協会の会長の役目上ご挨拶をさせていただきました
そのなかで今年初めて強調させていただいたいたことがあります
轟渓谷や多良岳の魅力のPRもさることながら
それは諫早の観光のコンセプトに 元気になる街 諫早 と位置づけたことです

思いつきのようですが昨年10月諫早市の補助で新しい諫早の観光ポスターを作成したとき
日ごろ模索していた諫早の観光の切り口にどうかとその思いを強くしました
その1つが多良山系の深い山を背景に山岳信仰の重要拠点を配し
        山の力、息づく パワースポット 
 を キャッチコピーとしたこのポスターから次々と 諫早の元気の源が湧き出してきました

諫早に来れば元気になる、その証拠を次号でご紹介いたします 乞う ご期待 !!
楊柳の滝
諫早の観光ポスター
楊柳の滝に彫られた磨崖仏



 

2013年5月2日木曜日

66. ワイングラスで美味い日本酒

日本酒の評価は自薦、他薦、いろいろあります、個人の好みと言ってしまえばそれまでですが
日本酒のプロあるいは専門家はある基準に従って評価をします

国内では各国税局主催(全国11か所)の酒類鑑評会や5月に広島の酒類総合研究所で開催される全国新酒鑑評会が良く知られています
このコンテストは国税庁所属の技官と酒類業界のきき酒に堪能な方々によるコンテストです

一方では前述の鑑評会と違ってもっと自由にいろんなジャンルの日本酒の楽しみ方のコンテストも最近開催されています
その一つ酒文化研究所が主体で開催された「ワイングラスでおいしい日本酒アワード」の表彰式と楽しむ会が4月22日 東京のアカデミーヒルズで開催されました

おおよそ200社から300点以上の日本酒が出品され弊社の「杵の川 生原酒」が金賞を受賞いたしました
このお酒は酒造期間のみの限定販売で、蔵開きで最も人気の高いお酒です

  本年分在庫僅かとなりましたお試しあれ !!!

2013年4月25日木曜日

65. 市川森一脚本賞

平成23年12月に急逝された諫早出身の脚本家市川森一を偲び 設立された市川森一脚本賞の
第1回授賞式が東京の千代田会館でさる4月22日に開催され、女性脚本家大島里美さんが受賞されました、受賞作品は24年にNHKで放送された「恋するハエ女」というTVドラマでした 
           
市川森一脚本賞財団理事長の元NHK会長福地茂雄様はじめ中村長崎県知事、放送業界など関係者多数のご出席のもと開催されました
これをうけ4月24日地元長崎でも県内各地の来賓、関係者160名が集まり市川森一資料展
「夢の軌跡」を開催中の長崎歴史博物館でレセプションが開催されました
祝賀会に先立ち開かれた大島さんのドラマ「恋するハエ女」のプロデューサー、演出家そして
主演女優ミムラさんらによるドラマ制作の裏話を交えたトークショウが行われ、脚本家のご苦労話などに花が咲きました
この賞は今後も一般市民、協賛法人の寄付金により運営されます、よろしければ下記の口座まで金額の多少に関わらずご協力いただければ幸いです

振込先

三井住友銀行広尾支店 普通 0155740
十八銀行 諫早支店   普通 1056096   口座名 市川森一脚本賞事務局
長崎歴史博物館で開催中
大島さん、ミムラさん、プロデューサー、演出家によるトークショウ
主演女優ミムラさん 美しか~!!!
 



2013年4月24日水曜日

64. 杵の川の商品紹介 大吟醸、吟醸

日本酒造りのメカニズムや日本酒の分類をご紹介いたしましたので 杵の川の商品には
どのようなものがあるかご紹介いたします

大吟醸、吟醸

   日本酒の最高峰と言われる大吟醸は厳選された酒造好適米と言われる、酒造専用品種の  
   原料米を60%以下に精米して使用します
   精米にこだわるのはお米の中心部に純良なでんぷん質があるからです、大吟醸では35%
   精米が主流です
   また大吟醸の製法は通常よりも温度を抑え、低温で35日以上かけて発酵させます
   この時酵母は飢餓状態に陥り、吟醸香というフルーティーな香りを出します、そして
   淡麗で上品な仕上がりとなります
    
   
  
純米大吟醸丁子屋 当社の創業時の屋号を名付けた最上の純米酒、香りと上品な味の
バランスが日本酒の最高峰と言われる由縁

大吟醸美禄天 酒造好適米を35%にまで精米し低温発酵でフルーティーな香りが
特徴で、清酒の別名美禄の最上のものと言う意味の天と名付ける

大吟醸長崎奉行 美禄天と企画は同じで、商品名は諫早出身の脚本家故市川森一先生の    
同名のドラマを記念して命名、ラベルは切り絵画家 故宮田雅之氏作 
杵の川吟醸 玄(くろ) 山田錦を55%に精米したお手軽な吟醸酒
淡麗で上品な味わいが好評



63. 日本酒のラベルと表示

日本酒の分類と呼称について前号でご紹介いたしましたが、実際の商品のラベルには
どのように表示しているか弊社の商品で説明いたします

表示義務
  日本酒の表示は酒税法と酒類業団体の規定によって定められています

本醸造 杵の川
① 警告 未成年者飲酒防止の注意を記載しています
② 社名・住所
③ 製造年月 日本酒の製造年月は瓶詰の年月を記載しています
④ 内容表示
         アルコール度数は範囲を記載しています 例 15,0以上16,0未満
         原材料は日本酒の分類に相当する原材料を記載しています
         金撰 格付けの記載で蔵元、県などで任意に表示
             長崎県では上位から特撰、金撰、銀撰の表示が多い

吟醸 杵の川 裏ラベル
 
日本酒の内容の詳細を裏ラベルとして添付している商品もあります

精米歩合 当該日本酒の原料米の精米の歩合(玄米を100%として)
日本酒度 日本酒の比重を表示+表示は水より軽く辛口の傾向
-表示は水より重く甘口の傾向の目安 
 

2013年4月17日水曜日

62. 日本酒の分類と呼称

前号61で日本酒がどのようにできるかをご紹介いたしましたので
この号では日本酒はどのように分類され、分類された日本酒はどのように呼ばれているかを
説明いたします

日本酒の分類

  1.原材料による分類

     純米酒    米、米麹、水 
               ※ 原料米は国産米の3等以上で精米歩合を表示


     本醸造酒   米、米麹、醸造用アルコール、水
               ※ 原料米は国産3等以上で精米歩合70%以下

     
     その他の酒 米、米麹、醸造用アルコール、醸造用糖類、水

  2.製法による分類

     吟醸酒    原料米を60%以下に精米し、低温で発酵させたもの
 

     原酒     原材料、製法に関わらず、発酵が終了し搾りの後加水(和水)しないもの

     生酒     原材料、製法に関わらず、発酵が終了し搾りの後、非加熱で出荷するもの

     生貯蔵酒  原材料、製法に関わらず、搾りの後、一定期間非加熱貯蔵したものを加熱
             し出荷するもの
     
     冷おろし  ひと夏、熟成貯蔵した原酒を秋口に蔵出しするもの、近年加熱殺菌したもの
             も含まれる

     樽酒     一定期間、樽に貯蔵をして木香を付けたもの

     にごり酒   搾りの際、目の粗い搾り布で搾り醪(もろみ)の固形物を混入させたもの 

 このほか地方、酒蔵で個別の名称をつけたものも多数あります

      

2013年4月5日金曜日

61. 日本酒造りのメカニズム

酒呑老子の独白投稿58,59号で日本酒の最高峰大吟醸の仕込み工程をご紹介する予定でしたが残念ながら中断のやむなきにいたりました
そこであらためて日本酒はどのようにしてできるかをご紹介いたします

すべての酒類はアルコールを含んでいます、アルコールは酵母によるアルコール発酵で発生します、アルコール発酵とは酵母が主にブドウ糖を栄養にして増殖し、その結果アルコールを生成することです

ワインはブドウが原料です、ブドウの果汁に含まれる糖分がワイン酵母によってアルコールが発生しワインとなります

日本酒はお米が原料です、お米はデンプンが主成分で糖分を含んでいません、そのままではアルコール発酵をしません、しかしお米に麹菌を繁殖させた米麹の酵素力でデンプンがブドウ糖に変化します、日本酒酵母がその糖分をアルコールに変化させます
つまり日本酒の発酵は、米、米麹、水、酵母(酒母)が仕込みタンクの中で、麹カビ、日本酒酵母の2種類の微生物の働きで糖化作用とアルコール発酵が行われ約20日で出来上がります

日本酒のできるまでの工程図をご覧ください




2013年3月29日金曜日

60. 春だ祭りだ蔵開き

3月23,24日に恒例の 杵の川 開運酒蔵開きを開催いたしました
心配していたお天気もまさに花曇りで寒からず暑からずの良いお天気でした

昨年は悪天候と運営上の問題で、県道飯盛線が双方向で1㎞ほどの渋滞を起こしました
それでも2日間で8000名のご来場で過去最高の人出でしたが
本年は天候にも恵まれ10,000人に迫り新記録を更新いたしました
おかげまでNHK,KTN,NCCでも取材いただき、諫早の春の風物詩として定着いたしました

近年飲酒運転防止対策でJR諫早駅から大型バス4台での無料シャトル運行、JRウォーキングのお客様が増加いたしました

ご来場のお客様のお目当てはこの時期だけの搾りたて生原酒など蔵開き限定の商品に長い列ができました、また1杯100円の枡酒も好評で2日間で1000ℓ(枡 7000杯) の枡酒が飲まれました

酒蔵の中では原酒の搾りの実演、珍しい酒樽造りの実演など日ごろ目にすることができない作業をご覧いただくことができました
そのほか会場では地元特産品の販売や、アトラクションの太鼓の演奏、郷土芸能の披露など
盛りだくさんの内容で、会場は終日盛り上がっていました。

ご来場のお客様はもちろん、この催しを開催するに当たり多くの皆様方のご尽力に対し
心より感謝の意を表します

         ありがとうございます !!!!


倉庫内では限定酒が人気
   

来賓による鏡開きで開幕

酒蔵の3階では1日角打ちでご接待


 

 
 

2013年3月21日木曜日

59. 長期休刊のお詫び

1月22日付け 58号以来おおよそ2か月無断休刊をいたしました
多くの方々より、休刊理由のお尋ねやら、督促をいただきました
拙文ながらご愛読いただいておりました皆様には深くお詫び申し上げます

齢(よわい)68歳の酒呑老子は今日まで幸いにして大病をすることもなく過ごしてまいりましたが、長年の悪癖、不摂生で1月末よりおおよそ50日入院生活を余儀なくされました
まさに自信過剰、自業自得、本末転倒、四面楚歌、我田引水、一切合財、丁々発止etc.

酒造期間の最も重要な50日を悶々と過ごし、大吟醸の仕込み風景、工程をご紹介するシリーズに入ったばかりを中断し、深くお詫びを申し上げます

遅ればせながら、中断期間の一部を今後ご紹介したいと準備しております
今後とも酒呑老子の独白を引き続きご愛読くださいますようお願い申し上げます

                                      
 
                                          酒呑老子 拝

2013年1月22日火曜日

58. 麹(こうじ) 造りと酒母(もと)

蒸しあがったお米の一部で麹を造ります
良い酒つくりの条件は 1.麹  2.酒母(もと) と言われるくらい麹は重要です

                          麹造り

日本酒は世界の酒つくりの中でも珍しい2種類の微生物を使った発酵技術です
その一つがコウジカビ(学名 Aspergillus Orizae)です
このカビが造る酵素でお米のデンプンがブドウ糖などの糖分に変化します

麹は麹室(むろ)という高温多湿の部屋で造ります、つまりカビの生えやすい梅雨時の
環境の中でコウジカビの胞子をまぶした蒸米を2昼夜保温すると麹が出来上がります

温かい部屋で手入れ

酒母造り
もう一つの微生物は酵母です日本酒酵母(学名 Saccaromyces Serevisiae)です
酵母は糖分をアルコールに変化させます

米、麹、水に培養した酵母を加え、仕込みに必要な純良で活力のある酵母の生育のための
酒母(もと)造りが始まります



酒母は低温を維持するため外側を氷で内側を冷水で冷やしています




57. 蒸し


米洗いで十分水分を含ませた白米を蒸します

餅つき用のセイロの何倍も大きい蒸米機を使います
抜け掛けと言う手法で蒸米機に白米を投入します
これは蒸気が吹き上げる蒸米機の中に種まきのような要領で
ぱらーっと散布するように投入します
その訳は蒸気の吹き抜けが偏らないようにするためです

蒸気がいきわたり湯気が吹き上げている
充分蒸気がいきわたり勢いよく蒸気が吹き上げている
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56. 大吟醸仕込み 米洗い

今 酒蔵はピーンと張りつめた緊張感が漂っています
それは お酒の最高峰と言われる 大吟醸の仕込みが始まったからです

お酒のグレードは原料のお米の精米歩合により左右されます
御飯で食べる白米は玄米を10%精米したものが普通です

日本酒造りで精米歩合とは玄米を100%としての白米の歩合です
お酒の種類で精米歩合は異なります当社の規格は下記のとおりです

  普通酒  70%
  本醸造  68%
  純米    60%
  吟醸    50%
  大吟醸  35%  

大吟醸仕込みは米洗いから始まります、良い蒸上がりにするため、白米に一定の水分を吸水させます(吸水率)、大吟醸では米粒が小さいため、杜氏はストップウォッチで米洗いを監督します
身を切るような冷たい水で丁寧に手洗いをします

30㎏の米を2つの木桶に分け素手で洗う
30㎏が1セットで間違いを防ぐため
順番の数字を記入
設定した吸水率になるまで7分間の浸漬







洗い時間や浸漬時間をストップウォッチで指示する土田杜氏 

 

2013年1月16日水曜日

55. 新春祈願

いよいよ平成25年も始動しました
酒蔵では1年で最も気を使う大吟醸の仕込みに入ります
1月4日社長をはじめ杜氏、蔵人など良い酒ができるよう
修復なった松尾社へ参拝し醸造祈願を執り行いました

これから酒蔵は通称「寒仕込み・寒造り」と言われる厳しい寒さの中
早朝深夜の作業が続くため杜氏、蔵人は泊まり込みいたします

この寒仕込みはもっぱら日本酒の芸術品ともいえる 大吟醸 を仕込みます
この大吟醸の仕込みは随時ご紹介をいたします。

 

2013年1月8日火曜日

54. 切り絵

内輪話で恐縮ですがあまりにも良くできた作品なのでご紹介いたします

この正月に身内の新年会で初めて知ったことですが
私の姪が趣味で数年前から始めたという切り絵です
A-4サイズの用紙にフリーハンドで下絵を描きカッターで切るという単純作業ですが
かなり細かい高度な技術と手前味噌ながらご紹介いたします

杵の川で作ってと頼みましたら2日ほどして送ってくれました

1升瓶に熨斗飾りでおめでとう

2013年1月3日木曜日

53. 謹賀新年

あけまして
        おめでとうございます !!!!

皆様方には清々しく新年をお迎えになったこととお慶び申し上げます
旧年中は格別のご愛顧をいただき篤く御礼申し上げます

私事ながら、元旦は恒例で兄弟、甥、姪その連れ合い、そしてその子供達総勢20数名が集まり
大新年会で今年の幕開けとなりました
2日には我が家諫早市内の3社参りに出かけました、御館山神社、諫早神社、高城神社
いずれも多くの初詣客で賑いを見せていました

内外ともに難しいこの頃ですが皆様方と共々に良き年になりますよう頑張ってまいります
それぞれのご多幸をお祈りいたします
杵の川ギャラリー

お年玉プレゼント実施中

応募要領 酒呑老子の独白52号に掲載中
締切    平成25年1月10日